水の音
光の音に 風の音
奏でる音を 手のひらで
ふわりと掬い 耳元に
集めてみては 夏の音
音色の中に
混ざる秋音
ー茂乃音ー
水の音
光の音に 風の音
奏でる音を 手のひらで
ふわりと掬い 耳元に
集めてみては 夏の音
音色の中に
混ざる秋音
ー茂乃音ー
風が止み
水辺の時が ふと止まり
夏草しずか 目を閉じる
水面は時の 忘れ物
ゆらゆら揺れて 夏の日の
陽射しを映す
時のしじまよ
ー茂乃音ー
雲眺め
風を眺める 夏の日に
秋の香りが 風に乗り
隣に座り 夏空を
共に眺めて 時は過ぎ
いつしか空は
秋の香りに
ー茂乃音ー
夏風に
揺れる水面の 浮き草よ
水の底には 常闇が
水の上には 現世が
どちらに行くも 楽でなし
どちらつかずに
ゆらりゆらりと
ー茂乃音ー
雲流れ
木立は風に たなびきて
去りゆく人に さよならを
言えずに空を 見上げては
愛しき人の 代わりにと
去りゆく雲に
告げるさよなら
ー茂乃音ー