和歌の栞

五七五七五七五七五七七の和歌を詠みます

2024-01-01から1年間の記事一覧

春の栞 春を祝いて

春を祝いて 冬雲は 流れて遠く 春の空 芽吹かぬ木々は 冬の詩 芽吹く枝葉は 春の歌 日差しに乗せて ことほぎて 春を歌いて 春を祝いて ー茂乃音ー

春の栞 春を喰む

春を喰む なごり雪 岩に染み入り 集まりて 流れとなりて 春を喰む 冬の雫は ひと雫 集めて温む 春の川 雪解け流る 春を纏いて ー茂乃音ー

春の栞 白梅静か

白梅静か うららかな 日差しに芽吹く 白梅は 春の光を 浴びながら 想いを馳せる その先は 冬の名残か その先か 花咲き静か 春の日和に ー茂乃音ー

春の栞 里山春香

里山春香 里山に 春は来たりて 梅の花 光たおやか 春を告げ 木々は芽吹いて 春を知り 梅花咲きて 春香る 色づく春に 染まる山並み ー茂乃音ー

冬の栞 十六頁

梅はじめ 一房と 二房三房 梅はじめ 花を忘れた 冬の森 日差し忘れた 冬の空 明かり灯すは 梅の花 うすべに色の 春のはじまり ー茂乃音ー

冬の栞 十五頁

木枯らしいつか 木枯らしは 冬の旅路を 駆け足で 北へ北へと 駆け巡る 行き着く先は 果てしなく 空の彼方を 果てもなく いつか来た道 いつか見た空 ー茂乃音ー

冬の栞 十四頁

雪解け遙か 雪解けを 待ちて冷たく 冬の岸 川は凍えて 細くなり 枝は震えて 葉は落ちる 山の頂 雪解けを 共に待ち侘び 冬の日差しと ー茂乃音ー

冬の栞 十三頁

雨雲割れて さめざめと 冬の長雨 さむざむと 落ちる涙に 寂しさを 流して空は 開けてゆく 開けた空から 降り注ぐ 天の恵みに 涙拭いて ー茂乃音ー

冬の栞 十二頁

光一葉 輝ける 光冷たき 冬山の 木立は纏う 冬青葉 ひとひらごとに ひとときの 時を刻みて 日は過ぎて 光重ねて 時を重ねて ー茂乃音ー

冬の栞 十一頁

冬の羽衣 北風は 白い羽衣 身に纏い 天を駆け抜け 冬の空 衣幾重に 重なれば 光幾重に 重なりて 輝き幾重 冬の羽衣 ー茂乃音ー

冬の栞 十頁

冬の白花 冬の色 空は白色 薄曇り 白く凍りし 霜柱 花も真白に 燕子花 冬の光に 染まる花 吐く息白く 朝を迎えて ー茂乃音ー

秋の栞 九頁

秋波の光 夕暮れに 染まる枯葉と さざ波よ 別れを告げる 枯葉へと 別れを惜しむ さざ波が 光に乗せて 文を読む 波間に宿る 別れ言葉よ ー茂乃音ー

秋の栞 八頁

落ち葉月 時過ぎて 秋の終わりか 落ち葉月 はらりと落ちる 秋の色 燃ゆる命を 閉じ込めて 染まる落ち葉は 茜色 過ぎゆく秋の 日々を宿して ー茂乃音ー

秋の栞 七頁

ふたえ衣 もみじ葉は 一重二重と 枯れ落ちて 秋から冬の 衣替え 秋の名残よ 紅衣 冬の訪れ 影衣 二つの衣 時を彩り ー茂乃音ー