和歌の栞

五七五七五七五七五七七の和歌を詠みます

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

光る葉の 秋のはごろも 風がまといて

夕暮れの 光の中で 奏でるは 光る青葉の 葉の調べ ひとえひとえに 輝きて いくえいくえに 重なりて 秋風揺れる 秋のはごろも ー茂乃音ー

願いごと 解けぬように 結ぶ花糸

赤い糸 何を結ぶか 彼岸花 雄しべと雌しべ 恋結び 受け継ぐ命 花結び 昼と夜との 時結び 解けぬように 結ぶ花糸 ー茂乃音ー

秋木立 染まり始めた 秋を描いて

秋木立 花は咲かねど 色は咲く 赤に黄色に 橙に 残る緑も 鮮やかに 青き美空の その上を 絵筆が走り 秋を描き上げ ー茂乃音ー

彼岸花 白く咲きたる 無垢の花いろ

彼岸花 無垢の命の 白い花 幾重に染まる 現世の 日々は色落ち 花が咲き 心を映す 白い花 常世の国の 花の色かな ー茂乃音ー

彼岸花 絡まり染まる 赤い花びら

彼岸花 赤い花びら 絡まりて 咲いて染まるは 秋の色 心を焦がす この想い 絡まり咲くは 同じかな ならば染まれよ 秋の花色 ー茂乃音ー

夏の音 風に混ざりし 秋の音色よ

水の音 光の音に 風の音 奏でる音を 手のひらで ふわりと掬い 耳元に 集めてみては 夏の音 音色の中に 混ざる秋音 ー茂乃音ー

風が止み 時は止まれど 水面は揺れる

風が止み 水辺の時が ふと止まり 夏草しずか 目を閉じる 水面は時の 忘れ物 ゆらゆら揺れて 夏の日の 陽射しを映す 時のしじまよ ー茂乃音ー