和歌の栞

五七五七五七五七五七七の和歌を詠みます

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

雨あがり 桔梗の花と 縁側の風

雨あがり 紫の花 緑の葉 縁側の風 涼やかに 素足で庭に 降り立ちて 花に近寄り 語らうも 花は語らず されど微笑む ー茂乃音ー

蓮の葉に 雨粒踊り 空を眺めて

雨雫 落ちて一人は 寂しくて 指を触れ合い 手を繋ぎ 腕を絡めて 求め合い 一つになりて 蓮の上 たゆたいながら 空を眺めて ー茂乃音ー

カキツバタ 紫色の 恋の結び目

カキツバタ 水面の風を 受けながら 揺れる花びら 紫の 浴衣の帯の 結び目に 似ているように 見えるのは 君を想えば 君を慕えば ー茂乃音ー

雨雫 花びら数え 想い巡りて

紫に 染まりし雨の 花びらを 数えるたびに 思い出す 雨に別れし 彼の人よ ひとひらみひら 八重の花 ぐるり巡りて 元のひとひら ー茂乃音ー

花姿 淡き想いは 雨に流れて

小雨降る 朝の気配に 咲き誇る 後ろ姿の 花姿 着物姿の 君恋し 襟足に咲く 恋の花 淡き水色 雨に流れる ー茂乃音ー

紫陽花の 小さな花と 森の囁き

水色の 開いたばかり 紫陽花の 生まれたばかり 花びらは 森の囁き 歌声に おとぎ話に 夢うつつ 優しい風に うつらうつらと ー茂乃音ー

にわか雨 紫陽花小道 手と手繋いで

雨上がり 紫陽花小道 手を繋ぎ 歩く二人に 雨しずく ぽとりと落ちて にわか雨 宿りを探し 走り出す 繋いだ手と手 二人離さず ー茂乃音ー

涼やかな 風が咲かせる 和歌の花歌

涼やかな 皐月の風に ひらひらと 青葉は揺れて 心地よく 言葉の花を 枝先に 咲かせて歌う 和歌の歌 風が吹いたら 耳を澄まして ー茂乃音ー

移りゆく 季節はかくも 美しきかな

川縁に 立ちて眺めて 幾年の 時を重ねる 木の幹は 来る日来る日も 変わらない 同じ景色を 眺めるも 移ろう季節 かくも楽しき ー茂乃音ー