和歌の栞

五七五七五七五七五七七の和歌を詠みます

2022-01-01から1年間の記事一覧

綿雲よ 皐月の空を 西へ東へ

雨上がり 空は皐月の 青空に 綿雲ふわり 流れゆく 五月雨涙 晴れ渡り 心の空に 浮かぶ雲 時風吹て 西へ東へ ー茂乃音ー

藤の花 花房踊り 夏を招いて

春色と 夏色混ぜて 紫の 花を咲かせて 藤の花 春から夏を 橋渡す 卯月皐月の そよ風に 花房踊り 夏を招いて ー茂乃音ー

花びらを 落として残す 春の残り香

八重桜 過ぎゆく春に 後ろ髪 引かれて残す 花びらは 春の名残の 花心 咲かせて纏う 花衣 落として残す 春の残り香 ー茂乃音ー

里桜 花びら降らし 春を知らせて

里山に 春の訪れ 告げるのは 春色染まる 里桜 花びら触れて 目を覚ます 森の緑と 里の花 春の知らせを 花は携え ー茂乃音ー

花開く 枝垂れ桜は 春の涙か

流れゆく 春の涙の 桜花 枝垂れ桜は 花開く 短き春を 祝いてか 儚き春を 想いてか 涙は染まる 春は華やぐ ー茂乃音ー

機織りて 春を装う 花の羽衣

赤白の 混ざり綾なす 花の糸 紡いで染めて 機織りて 春を装う 梅の花 里山纏う 花衣 春の衣は 風にたなびく ー茂乃音ー

春の日の 光を浴びて 花に焦がれて

春の日の 光を浴びて 梅の花 春に焦がれて 花開く 見惚れて流る 春の風 振り返らずも 胸の内 恋に花咲き 花に焦がれて ー茂乃音ー

梅の花 奏でて祝う 春の兆しを

如月の 冷たき空は 澄み渡り 浮かぶ白雲 寂しくも 語りかけるは 梅の花 ぽつりふわりと 花の音を 奏でて祝う 春の兆しを ー茂乃音ー

白梅の 蕾まどろむ 春遠からじ

白梅の 硬き蕾に 包まれて 冬の日差しを 浴びながら 春の訪れ 聞き耳を 立てて微睡む 夢の中 春遠からじ 白き蕾よ ー茂乃音ー

冬木立 空に広がり 寒さ彩る

冬木立 空に向かいて 広がりて 寒さ彩る 枝の花 花は咲かねど 冬空に 凍てつく寒さ 描き添えん 真白な雲に 枝を走らせ ー茂乃音ー

朝靄に 浮かび混ざるは 影か光か

朝もやに 浮かび上がりし 山並みは 昇る朝日を 背に受けて 影をまといて 現れん 光と影と 空と国 共に混ざりて もやの彼方に ー茂乃音ー