2019-01-01から1年間の記事一覧
手を繋ぎ 二人歩くは 秋の日の 燃ゆる命の 並木道 枯葉がいくら 落ちようと 貴方を想う 心葉は 変わることなく 永遠に染まりて ー茂乃音ー
落ち葉山 秋の涼しき 風音に うつらうつらと 眠る頃 瞼にかかる 木漏れ日に うつろうつろと 目覚めれば 染まる夕陽に 肌は冷たき ー茂乃音ー
秋空を 淡く染めるは 白雲の 冷めた吐息か 溜め息か 吐息に木々は 肩すぼめ 溜め息受けて 襟立てて 淡き秋空 風は冷たく ー茂乃音ー
すすきの穂 風にたなびく 襟足を ゆらりゆらりと しならせて 傍抜ける 秋風を 手招き誘い 抱きしめて 秋の日差しを 共に眺めて ー茂乃音ー
雲割れて 青く開けた 空の道 羽ばたく羽根は 茜色 空をひらりと 翔け抜ける 秋の枯葉に 手を伸ばし 想いよ届け 道の彼方に ー茂乃音ー
さざ波の 運ぶ便りは 秋の日の 風の香りと 日の光 さらさら揺れる 波間には 秋の言葉が 綴られて ひと波ごとに 耳を澄まして ー茂乃音ー
秋色に 色づく森に 続く道 日差しの歌を 聞きながら 枯れ葉の文を 読みながら 秋の白くて 細い手を 右手で包み 並び歩いて ー茂乃音ー
忍び寄る 秋の気配に 染まりゆく 木の葉に文を したためて 秋の気配を 待つ君に 秋の便りを 届けたく 風に頼みて 木の葉落として ー茂乃音ー
花つぼみ 赤く染まりて ふくらみて 花をひらけし その時に 旅に疲れた オニヤンマ つぼみの上で ひと眠り 起こさぬように 花も眠りて ー茂乃音ー
雨あがり 紫の花 緑の葉 縁側の風 涼やかに 素足で庭に 降り立ちて 花に近寄り 語らうも 花は語らず されど微笑む ー茂乃音ー
雨雫 落ちて一人は 寂しくて 指を触れ合い 手を繋ぎ 腕を絡めて 求め合い 一つになりて 蓮の上 たゆたいながら 空を眺めて ー茂乃音ー
カキツバタ 水面の風を 受けながら 揺れる花びら 紫の 浴衣の帯の 結び目に 似ているように 見えるのは 君を想えば 君を慕えば ー茂乃音ー
紫に 染まりし雨の 花びらを 数えるたびに 思い出す 雨に別れし 彼の人よ ひとひらみひら 八重の花 ぐるり巡りて 元のひとひら ー茂乃音ー
小雨降る 朝の気配に 咲き誇る 後ろ姿の 花姿 着物姿の 君恋し 襟足に咲く 恋の花 淡き水色 雨に流れる ー茂乃音ー
水色の 開いたばかり 紫陽花の 生まれたばかり 花びらは 森の囁き 歌声に おとぎ話に 夢うつつ 優しい風に うつらうつらと ー茂乃音ー
雨上がり 紫陽花小道 手を繋ぎ 歩く二人に 雨しずく ぽとりと落ちて にわか雨 宿りを探し 走り出す 繋いだ手と手 二人離さず ー茂乃音ー
涼やかな 皐月の風に ひらひらと 青葉は揺れて 心地よく 言葉の花を 枝先に 咲かせて歌う 和歌の歌 風が吹いたら 耳を澄まして ー茂乃音ー
川縁に 立ちて眺めて 幾年の 時を重ねる 木の幹は 来る日来る日も 変わらない 同じ景色を 眺めるも 移ろう季節 かくも楽しき ー茂乃音ー
並び咲く ツツジの花の 花びらは 外はほんのり 薄紅の 恥じらい色に 染まりても 花のがくには 赤々と 燃える紅色 内に宿して ー茂乃音ー
五月晴れ 流れる雲を 追いかけて 枝を伸ばして 青葉咲く 雲に届かぬ 手のひらを 五月の風が ひらひらと 手を振るように 青葉揺らして ー茂乃音ー
曇り空 白いツツジの 花が咲く 空より白い その花に 君の手のひら 思い出し 触れてはみても 冷たくて 涙を隠す 雨を呼びけり ー茂乃音ー
桜咲く 花の命の 歌詠みは 芽吹く桜の つぼみ歌 咲いて踊るは みだれ歌 散るは悲しき なみだ歌 短かき春を 思ひ歌いて ー茂乃音ー
繰り返す 人の命の 営みを 咲いて散りゆく 桜木は 見守りながら 花咲かす 流す涙は 花びらか しだれ涙か 八重の涙か ー茂乃音ー
桜木の 花は開いて 幾重にも 春の衣を 纏いては 散りゆく前の 艶姿 花咲く春の 装いを 誰に見せるか 春は短かき ー茂乃音ー
薄曇り 寒さの衣 冬衣 纏いて空は 冬支度 赤い紅葉は 秋衣 重ね着できず 寒々と 震えて落とす 秋の名残葉 ー茂乃音ー
残された 秋のもみじ葉 黄昏の 夕陽を浴びて 茜色 足もと埋める 落ち葉山 風吹くたびに 消えてゆき 残るもみじ葉 冬はこれから ー茂乃音ー
水面から ゆらりと光る 波の音 静かな音に 聞き耳を 立てて佇む 秋の葉よ 茜の色と 光る波 冬の気配に 共に溶け込み ー茂乃音ー
枯木立 落ち葉に埋もる 山の中 花を探して 分け入りて 風に出会いて うつむきて 見つけた花は 山茶花よ 落ち葉の中の 赤い微笑み ー茂乃音ー
空浮かぶ 秋の白雲 眺めつつ 木立は染まる きはだ色 やがて白雲 流れゆき 知らぬ合間に 冬の空 雲は何処に 秋は何処に ー茂乃音ー