岩肌に
落ちる紅葉の 葉の色と
夕陽の色が 混ざり合い
茜に染まる 川面には
冷たき風も 立ち止まり
暫し見初めて
時は茜に
ー茂乃音ー
岩肌に
落ちる紅葉の 葉の色と
夕陽の色が 混ざり合い
茜に染まる 川面には
冷たき風も 立ち止まり
暫し見初めて
時は茜に
ー茂乃音ー
もみじ葉よ
誰を想いて 染まるのか
春の桜の 襟元か
夏の青葉の 黒髪か
想いを重ね 赤々と
空を染め上げ
秋を彩る
ー茂乃音ー
春風と
夏の嵐を 乗り越えて
辿り着きたる 丘の上
柵の向こうに 見えるのは
高く広がる 秋の空
冬来る前に
雲を掴まん
ー茂乃音ー
一枚の
木の葉が光る 森の中
光に透けて 見えるのは
夏と秋との 境目か
秋と冬との 境目か
隙間に挟む
秋の栞よ
ー茂乃音ー
沈みゆく
夕暮れ時の 水面には
夕日の光 きらきらと
映りてやがて 柔らかな
灯りに変わり 眠たげな
秋の背中を
少し照らして
ー茂乃音ー
夕暮れの
光の中で 奏でるは
光る青葉の 葉の調べ
ひとえひとえに 輝きて
いくえいくえに 重なりて
秋風揺れる
秋のはごろも
ー茂乃音ー
赤い糸
何を結ぶか 彼岸花
雄しべと雌しべ 恋結び
受け継ぐ命 花結び
昼と夜との 時結び
解けぬように
結ぶ花糸
ー茂乃音ー