木枯らしいつか
木枯らしは
冬の旅路を 駆け足で
北へ北へと 駆け巡る
行き着く先は 果てしなく
空の彼方を 果てもなく
いつか来た道
いつか見た空
ー茂乃音ー
雪解け遙か
雪解けを
待ちて冷たく 冬の岸
川は凍えて 細くなり
枝は震えて 葉は落ちる
山の頂 雪解けを
共に待ち侘び
冬の日差しと
ー茂乃音ー
雨雲割れて
さめざめと
冬の長雨 さむざむと
落ちる涙に 寂しさを
流して空は 開けてゆく
開けた空から 降り注ぐ
天の恵みに
涙拭いて
ー茂乃音ー
光一葉
輝ける
光冷たき 冬山の
木立は纏う 冬青葉
ひとひらごとに ひとときの
時を刻みて 日は過ぎて
光重ねて
時を重ねて
ー茂乃音ー
冬の白花
冬の色
空は白色 薄曇り
白く凍りし 霜柱
花も真白に 燕子花
冬の光に 染まる花
吐く息白く
朝を迎えて
ー茂乃音ー